口からはじまる健康寿命(口とカラダから考える健康管理)

1.歯を失うと死亡率が上がる!?

 

健康長寿とは健康寿命が長い事です。平均寿命に加えて、近年は健康寿命という言葉がよく用いられるようになりました。

健康寿命にはさまざまな定義があります。労働や家事、社会参加に支障がないことと、知的・認知機能に障害がないこと、そして療養病棟や介護老人施設などの施設に入所していないことなどをまとめて、日常的に介護を要してない、自立して生活を営める生存期間と理解されています。

長い生涯を健康な状態を維持したまま死を迎えるのは理想ですが、晩年に不健康な状態を抱えることも少なくないと思われます。少しでも健康寿命を延ばすということが重要な課題です。そのためには要介護状態にならないことが大切です。

要介護状態になる三大原因は 脳卒中と認知症、そして高齢による衰弱といわれ、この三つで全体の5割以上を占めます。それを踏まえて老年医学的に克服すべき課題として挙げられているのが、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)や骨粗鬆症、虚弱などの予防です。要介護にならないために重要なこととして、低栄養の予防、口腔機能向上、そして筋力向上の三つが挙げられます。

口腔機能について言うと、一般的に大人の歯の数は28本(親知らず除く)。2011年の歯科疾患実態調査によると、20本以上の歯を持つ人の割合は、この20年間で増加傾向にあります。20本以上の歯を持つ人の割合は、60歳までは女性が多く、60歳以降は男性のほうが多い傾向にありました。 80歳の歯の数は平均14本。80歳で20本以上という目標には届いていませんが、20本以上の方は全体の38%と推定されます。

さらに口と全身の健康について、歯を失うこととの関係を調べた結果、脳卒中に関しては失った歯の数が多いほど発症の危険性が高いことが分かりました。

日本人の亡くなる原因として3番目に多い肺炎でも、失った歯の数がゼロから9本の人たちと比べて、10~19本を失った人は2.46倍、20~28本を失った人は2.37倍、死亡の危険性が高まるとの結果が出ました。

 

2.口は「生活の質」にも影響する!?

 

失った歯の数が多いほど、大腿骨頸部を骨折しやすいことも分かりました。これは寝たきり状態を引き起こし、要介護状態に陥る原因のひとつです。

歯が少なくなると栄養摂取に支障があると推察されるため、歯の数と食品別の摂取量を調べました。

失った歯の数が3本以下の人と比べて、歯が1本もない人は菓子類や米飯類を多く摂取しており、その反面、緑黄色野菜や乳製品が少ないことが分かりました。

歯が少なくなると、食べにくい野菜は敬遠されているようです。

では、なぜ歯を失うと骨折につながるのでしょうか?それは歯を失うことで長期的な低栄養状態を引き起こす、あるいは身体のバランスを崩し、そこに骨粗鬆症や転倒といった要因が加わり、骨折につながると推測されます。

また口の健康に関わるQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)は、咀嚼や嚥下といった機能面だけではありません。外見や自尊心、コミュニケーションや社交といった精神・社会面での要素があります。これらが健康状態にどのような影響を与えているのかを分析すると、口の健康に関わるQOLが低い人は高い人よりも男性で1.43倍、女性で1.26倍、死亡のリスクが高いのです。

口の健康はQOLに関係しており、機能面だけでなく、精神・社会面においても全身の健康に影響を与えていることを示唆すると考えられます。

尾張ケアセンター

かとれあ

〒492-8078
 愛知県稲沢市
 下津寺前町21番地

TEL:0587-81-4187

FAX:0587-81-4178

 

カウンター

 

税務会計・相続・各種許認可申請のことなら・・・
杉浦経営会計事務所にお任せ下さい。